年収1000万 ITフリーランスの随想録

創業以来年商1,000万以上を継続しているITフリーランスの業務体験記や日々思うことの記録

サラリーマン vs フリーランス 実質の年収比較

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こんにちは。アラフォーITフリーランスです。

 

10年超ITサラリーマンを経験した私が、ITフリーランスに転身して数年して、それぞれの年収を比較する際に考慮しなければならない点をシェアしたいと思います。

 

今後フリーランスを目指す方、または既にフリーランスだが現状の年収がサラリーマンと比較してどうなのかよく分からなくなっている、という方の参考になれば幸いです。

 

5つの観点で順に説明します。

1.(前提)税金
2. 有給休暇
3. 経費
4. 退職金
5.社会保険料

 

1.(前提)税金

 

サラリーマンとフリーランスの年収を比べるにあたって、税金面での考察が良くなされると思います。

 

が、これについては収入の多寡など様々な要因が絡んで一概に説明が難しいので、ここでは考慮外とさせてください。いずれも税金(所得税、住民税等)はかかるので、それはだいたい同じくらい*1と仮定します。

どうしてもまずそこが気になる方は、税理士の方などのブログを参照して下さい^^;

 

ここでは、それ以上にわかりやすく違いの出る要因があるので以降でお話しします。

 

 

2.有給休暇

 

なぜ年収の比較に有給休暇が?と思われた方がいるかもしれません。

 

私の経験上、サラリーマンではあまり給料と関連付けて意識していなかったことで、有給休暇があります。もちろん有給休暇の残日数、というのは意識していましたが、有給の「給」は給料の「給」です。つまり働かないでも給料をもらえる休日、ということになります(恥ずかしながら、私はフリーランスになった後に漢字の表す意味に気付きました)。

 

私の場合、過去に勤務した3社はすべて、勤続年数に応じて有給日数が増えていく仕組みで、だいたい勤務の終盤では、15日~20日程度、年間で有給休暇を使えていました。

 

もしこれからフリーランスを開始される場合は、たとえば自分のスキルなら月間60万円稼げそうだ、と考えた時に、それを単純に12か月掛けて想定年収720万円、とはしない方が良いです。

なぜならこの計算はサラリーマンなら取れる有給休暇を取らずに働いた場合の年収額となるからです。

 

もし休暇をサラリーマンの時と同様として、例えば年間20日欲しい、とすれば、11か月分(11掛け)で年収を考えなくてはなりません*2

 

何か月稼働できるかという観点では、実際にはサラリーマンだと会社(総務や経理)が担当してくれること、例えば契約書作成、会計システム入力、確定申告(や税務署に出向いての納税)などを自身で行うことを考慮しなければなりません。

 

これらクライアントサービス以外の業務を自身で平日に行うことも想定すると、上記有給に相当する休暇取得分も含めて、実際の報酬が発生する仕事に就けるのは年間のうち10か月くらいで想定しておいた方が良いと思います*3

 

 

3.経費

 

業務で使用するパソコンや高速インターネット環境、プリンタなどはすぐ思いつくでしょう。

その他事務所費用(シェアオフィス、コワーキングオフィス費用)、税理士費用(個人事業の場合は必須ではないです)、SaaS費用(DROPBOX、Charwork、ZOOMなど)、印刷コスト、スキルアップ費用(研修参加等)、があります。

 

私の場合だと、だいたいこれらの経費は売上の5%以下です*4

 

経費に関しては、フリーランスになると話は尽きませんので、それらは別の記事でまたお話ししたいと思います。

 

とりあえず売上に対して余裕見て1割見込んでおけばITフリーランスの場合大丈夫だ、と考えてもらったらよいと思います。

 

 

4.退職金

 

フリーランスに退職金は当然ありません*5

例えば、今勤めている会社の定年時退職金を2,000万円と仮定した場合、35歳でフリーランスを開始する場合、80万円×25年(定年60歳を仮定)、自身で積み立てていく必要があります。つまり25年間はサラリーマンより80万円余分に収入を得なければなりません

 

 

5.社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)

 

これに関しては1人法人を立ち上げる方の注意事項です。

社会保険料は、半分が会社負担ということを知っているでしょうか。

 

私は法人化してから、このありがたみをようやく実感としてわかるようになりました。

 

たとえば、1人法人で、自分の給料を月額50万円とした場合(つまり年収600万円)、社会保険料は、月額15万円も支払うことになります(東京の場合。正確には140,850円です。下リンクの等級30の欄を参照してください)。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r2/ippan_3/r20913tokyo.pdf

年収600万円に対して、社会保険料がざっくり180万円です。すごいです。

 

そんなに社会保険払ってるのか?と思われたサラリーマンの方。

社会保険料は労使折半なので、会社員は510万を受け取り(いわゆる手取り額)、会社は別に90万を(陰で)納付してくれています

 

ここで、1人会社の社長の場合、会社の支払いとは、結局は自分で払っているのと同様になるので、サラリーマンの倍額の保険料を支払うことになります。

 

したがって、今サラリーマンとして額面年収600万円であれば、一人会社の社長として同じ収入を得るためには、(社会保険料だけを考慮しても)690万円売上なくてはならないということになります。

 

将来受け取れる厚生年金は同じ額なんですけどね・・・

 

個人事業だと、そもそも厚生年金の加入はしないため、フリーランスだからといってこのように多額の保険料を支払う必要はないのですが、将来厚生年金は受け取れなくなります(当然、サラリーマンの時に納付した分の年金は受け取れます)。

 

これも長くなりそうなので、またどこかでもう少し詳しくどこかで別の記事にしたいと思います。

 

 

(まとめ)

 

また長文となってしまいましたが、ざっくり1000万の売上の法人であれば、

・経費でだいたい売上の1割(100万円)

・退職金のため80万円/年をプールする

社会保険料で90万円納付が必要(社長の報酬を年額600万円に設定した場合)

となり、サラリーマンの額面の年収なら700万円程度に相当するイメージになります。

 

今サラリーマンで700万稼いでいるなら、フリーで法人設立した場合には売上1,000万円必要。そのためには、月額100万円の売上が必要(2.の点から)という感じでしょうか。

 

フリーランスにこれからなる方の参考になればと思います。

*1:実際に1,000万円くらいまでの年収であれば、あまり違いを感じない、というのもあります。フリーランスはサラリーマンのように税金の給与天引きがないので、現金で納付した場合に、たくさん払っているという錯覚を起こす方が多いのは理解できますが。。。

*2:フリーランスは1か月の労働を20日とか160時間とかで考えることが多いです。

*3:これからフリーランスを目指す方の年収見込みという意味だと、そもそも年間10か月分の仕事が受注できるという前提の方をより慎重に検討する必要があるかもしれませんね。

*4:私は税理士を使っていないし、格安の住所利用のみのバーチャルオフィスを使っているので、固定費は安い方だと思います。

*5:各種共済会などが実施している退職金制度はありますので、それを利用しなければ、ということです。いずれにせよ退職金に関する考え方はサラリーマンと違い、自分の売上から能動的に積み立てていくという感覚になります。