年収1000万 ITフリーランスの随想録

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ITフリーランスとしての初仕事は小規模基幹システムのひとり開発だった(後編) ~ 業務内容と報酬

こんにちは。アラフォーITフリーランスです。

 

今回は前回に引き続き、私のITフリーランスとしての初仕事についてお話ししたいと思います。 itfreelancer.blog

 

前回は 1.受注の経緯 についてお話ししました。

今回は 2.業務内容 と 3.報酬 についてお話しします。

 

2.業務内容

 

顧客は小規模製造業(以下B社としましょう)で、自社の受注~製造~出荷までの業務のIT化を望んでいました。

 

A氏やB社にはIT構築の技術に疎いため、テクノロジー選定は私の自由でした。そこで開発技術は私の最も得意なASP.NETを採用し、BCPを考慮してクラウド(Azure)に構築することにしました。

 

クラウドを使用するメリットは、顧客にとってのBCP以外にもあります。

それは私のようなフリーランスにとって、インフラの構築や維持にかかる手数を削減できることや、サイジングのリスクを回避できる*1(スペックが足りなくなったら、手軽にアップできる)などがありました。

 

技術が決定したら、B社でシステム担当に指名されたCさんと私で業務要件定義の開始です。

 

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私が現状業務の業務フローを作成し、それに関してCさんからのフィードバックを受ける、ということを1か月程度行い、次はITを導入した場合の業務フロー案(To-Be業務フロー)を私で作成し、それをもとにCさんに説明し、またフィードバックを得て調整する、という作業をまた1か月程度行いました。

 

このTo-Be業務フロー作成は特に楽しい仕事であったことを覚えています。B社にはIT導入後の具体的イメージがほとんどなかったため、私から提案する内容をどんどん取り入れていただけたのです。このことはとてもやりがいを感じました。

 

もともとB社の社長は、自社の業務が特殊であると思っており、システム化が難しいと考えていたようですが(実際に、私より前にこの案件を受けた個人事業主の方がおり、一度とん挫した経験があったようでした)、スクラッチでの構築であれば、要件を論理的に整理しさえすれば如何様にも実装できるので、設計・実装にあたり特に問題となることはありませんでした。

 

また、このような小規模システム開発においては、どうしても大規模ウォーターフォールのような、成果物の作成とそれに基づいた合意形成が予算的に難しくなります。

その点はコンサル時代に養った合意形成のスキルや、プログラマー時代に養った実装スキルを最大限活用できて、スピード感のある実装とローリスクの合意形成を両立できた実感はありました。

 

そして要件定義を開始して6か月程度で、さしたる問題なくシステムは完成しました。

 

3.報酬

 

今回の仕事で報酬について実感したことが2つありました。

 

(1) 請負契約における報酬請求権

 

法律の話になってしまいますが、基本的にシステムを構築して納品するような作業は請負契約となる場合が多く、この場合、報酬が入金されるのは、システムが完成して、顧客が検収を完了した(顧客がシステムの出来栄えをOKとした)とき*2です。

したがって、請負契約の場合の請負側のシステム完成に対するプレッシャーは強いです。なぜならお客様にOKと言わせなければ、報酬を受け取れないのですから。*3

もし、そこで揉めれば(どうしても払わないと言われれば)、裁判に訴えるしかありません。*4

 

私は、独立して最初の仕事で上記のリスクを抱えることが心理的負荷を高めると考えたため、私はA氏を盾に、私とA氏の間で準委任契約(毎月私はA氏に作業代を請求できる)とすることでリスクを回避しました。*5

この行動は我ながら最初の仕事としてはうまく立ち回ったと思います。

 

(2) 実装スキルを持つ強み

 

つくづく芸は身を助けるではないですが、デリバリー能力を維持していてよかったと思いました。

 なぜなら、顧客から得た報酬のうち、結果的にA氏と私の配分は1:9となったからです。

 

たしかにA氏は案件開始後は何もしていませんが、この案件を発掘するまでに相応のコストをかけているはずです。

 

そう考えると、顧客が払う報酬の大部分を手にできるのは、実装スキルを持つ者(実作業を行うもの)の大きな強み*6であると意を強くしたのを覚えています。

 

*1:選定したサーバーに問題があれば、弁償は(普通に考えて)自分持ちになる。これはフリーランスにとって大きなリスクであると考えていたので、クラウド化の流れはフリーランスの追い風だと思ったことを覚えています。

*2:実務では、システムが完成することを前提に、報酬の半額を仕事の開始時点で受け取るような形式も多いです。先にお金をもらっておかないと、システム開発の過程で出ていく人件費等の経費がまかなえないケースがあるからです。

*3:現にA氏が報酬を受け取ったのは、当方がB社にシステムを納品したときでした。

*4:悲しいかなフリーランスは寄って立つ看板がないため、いざとなったら頼れるのは法しかありません。

*5:これはA氏にとっては大変なリスクであったはずで、法律を知らないことこそが大変なリスクを言えます。このあたりの契約周りの留意点については、まだどこかで記事にします。

*6:いわゆるコンサルティングファームがITの分野に進出しているのは、規模の違いはあれど同じ理由であるという点を、独立して実感しています。